愛犬の拾い食い、どうしたらいい?初心者さんのための原因と具体的な予防・改善策
愛犬との散歩は、心身のリフレッシュに欠かせない楽しい時間です。しかし、散歩中に愛犬が道端の物を口にしてしまう「拾い食い」に悩んでいる飼い主さんは少なくありません。特に初めて犬を飼った方にとっては、「何を拾うか分からない」「大丈夫なの?」と不安になることも多いでしょう。
この記事では、ペット初心者の方が安心して愛犬と散歩を楽しめるよう、拾い食いの原因や危険性、そして具体的な予防・改善策について分かりやすく解説します。愛犬との安全な散歩は、お互いにとって心地よい時間となり、絆を深めることにもつながります。
なぜ愛犬は「拾い食い」をしてしまうのでしょうか?
犬が拾い食いをするのには、いくつかの理由が考えられます。
- 強い好奇心: 犬は嗅覚が非常に優れており、地面に落ちているものに興味を持ちやすい生き物です。特に子犬の頃は、あらゆるものを口に入れて確認しようとする本能があります。
- 退屈やストレス: 散歩中の刺激が少ない場合や、室内での活動が不足している場合に、退屈しのぎやストレス解消のために拾い食いをすることがあります。
- 何か良いものだと思っている: 過去に拾い食いをして「美味しいものを食べた」「飼い主さんが慌てて構ってくれた」などの経験があると、それを繰り返そうとすることがあります。
- 栄養不足の可能性: まれではありますが、必要な栄養が不足している場合に、それを補おうとして異物を口にすることがあります。
- 地面に残った匂い: 食べ物だけでなく、他の犬の匂いや、人には分からない様々な匂いに誘われて地面を嗅ぎ、その延長で口にしてしまうこともあります。
これらの理由を理解することで、愛犬がなぜ拾い食いをするのか、その背景が見えてきます。
拾い食いはこんなに危険!知っておきたいリスク
拾い食いは単なる困った行動というだけでなく、愛犬の健康と安全を脅かす深刻なリスクを伴います。
- 中毒: タバコの吸い殻、洗剤、植物の破片、拾い食いされた人間の食べ物(犬にとって有害なネギ類やチョコレートなど)には、犬にとって有害な物質が含まれている可能性があります。
- 誤飲: 尖ったもの(串、骨のかけら)、消化できないもの(ビニール片、石、プラスチック製品、布)、大きなものなどを飲み込んでしまうと、消化器を傷つけたり、詰まらせたりする危険があります。腸閉塞などを引き起こし、緊急手術が必要になるケースもあります。
- 感染症: 他の犬の糞便や汚染されたものを口にすることで、寄生虫やウイルスに感染するリスクがあります。
これらの危険性を知ることは、拾い食いを軽く見ず、真剣に対策に取り組むための第一歩となります。
具体的な予防・改善策:安全な散歩のためにできること
愛犬の拾い食いをゼロにすることは難しいかもしれませんが、リスクを減らし、安全に散歩できるようになるための具体的な対策はたくさんあります。
1. 散歩中の環境に配慮する
- ルートの選択: 落ちている物が多い場所(ゴミ集積所の近く、交通量の多い道路脇など)をできるだけ避けるようにしましょう。整備された公園や河川敷など、比較的安全な場所を選ぶのがおすすめです。
- 注意深く観察: 散歩中はスマホを見たりせず、常に愛犬の様子と地面に注意を払いましょう。愛犬が何かを嗅ぎ始めたら、それが安全なものか確認し、危険そうであればすぐにリードを軽く引き、その場から離れるように促します。
2. 基本的なしつけを取り入れる
拾い食いに関連する基本的な指示を教えることは、非常に効果的です。
- 「ダメ」「いけない」: 拾い食いしようとした瞬間に落ち着いた低い声で「ダメ」「いけない」と伝え、愛犬の注意を飼い主さんに向けさせます。拾うのをやめたら褒めてあげましょう。
- 「離せ(ドロップイット)」: 愛犬が何かを口に入れてしまったときに、それを離させるための指示です。「離せ」と声をかけ、交換条件としてより魅力的なおやつなどを鼻先に持っていくことで、口の中のものを離すように教えます。うまくいったら大げさに褒めます。これを室内で安全なおもちゃを使って練習しておきましょう。
- 「ちょうだい(テイクイット/ギブイット)」: 口にくわえているものを飼い主さんに渡すように教える指示です。これも室内で安全なもので練習します。
これらの指示は、いざという時に愛犬の安全を守るために非常に重要です。焦らず、楽しみながら繰り返し練習しましょう。
3. 拾い食いの代替行動を教える
何かを拾おうとしたときに、それ以外の行動を取るように促す練習も有効です。
- 「見て」や名前を呼ぶ: 愛犬が地面に興味を示したら、名前を呼んだり「見て」と声をかけたりして、飼い主さんの顔を見させます。アイコンタクトができたら褒めておやつを与え、地面から意識をそらします。
- おやつを活用: 拾い食いしそうになったら、飼い主さんが持っているおやつに注意を向けさせ、安全なおやつを食べることで拾い食いを防ぎます。
4. リードの適切な使い方
拾い食いの兆候が見られたら、すぐに反応できるよう、リードは適切に持ちましょう。長すぎるリードは愛犬が遠くのものを拾いやすくなります。危険なものに近づきそうになったら、優しくリードを引いて方向を変えたり、立ち止まったりして回避します。
5. その他
- 適切な食事: バランスの取れた食事を与え、必要な栄養が不足していないか確認しましょう。心配であれば獣医師に相談してください。
- 適切な運動と心の満足: 散歩以外にも、室内での遊びやトレーニングを取り入れ、愛犬の運動欲求と知的好奇心を満たしてあげましょう。退屈やストレスが減り、拾い食いが減る可能性があります。
- どうしても拾い食いがやまない場合: 安全上の問題が大きい場合は、獣医師やドッグトレーナーに相談したり、散歩中にマズルガード(口輪)の使用を検討することも一つの方法です。ただし、マズルガードを使用する場合は、愛犬に慣らす練習を十分に行い、ストレスにならないように配慮が必要です。
まとめ:安全な散歩で愛犬との絆を深めよう
愛犬の拾い食いは、飼い主さんにとって心配の種ですが、原因を理解し、根気強く対策を講じることで改善が見込めます。焦らず、愛犬のペースに合わせて、褒めて伸ばすトレーニングを心がけましょう。
安全に散歩ができるようになれば、愛犬も飼い主さんも、もっと心からリフレッシュできる素敵な時間を過ごせるようになります。散歩中に愛犬が危険なものを拾わず、飼い主さんとのコミュニケーションを楽しめるようになれば、それは愛犬との絆がより深まった証でもあります。
もし、様々な対策を試しても改善が見られない場合や、愛犬が非常に危険なものを拾う傾向がある場合は、一人で悩まずに動物病院やプロのドッグトレーナーに相談することをおすすめします。専門家のアドバイスは、愛犬に合ったより効果的な解決策を見つける助けになるでしょう。
愛犬との毎日が、安全で心地よい癒やしの時間となるように、できることから少しずつ取り組んでいきましょう。